前回に引き続き、個人としての「働き方」「雇われ方」についてのお話をしていきたいと思います。

不景気が押し寄せると、会議室から押し出される人が増える。

これまで日本の組織では、現場で汗を流すよりも、会議室にいてあれこれ言っている人になることが「勝ち組」と言われてきました。

しかし、前回もお話したように、大学進学率が上がったため、会議室の人になる切符を持つ大卒者が以前よりも爆発的に増えてしまいました。

一方で、大卒者の増加に比例して会議室の人を増やす必要はありません。よって、会議室の椅子取りゲームは激しくなりました。

さらに、コロナ禍のように世界的な不景気が押し寄せると、ますます会議室の椅子は少なくなります。そのため、会議室から追い出される人が増えます。

会議室から追い出された人が、現場で汗をかけるか?となると、それができる人は非常に少ない。たとえ現場経験があっても、その当時よりも現場の技術や知見は進化しているので当時のスキルは通用しません。

現場で汗をかいている人は、何かしらプロフェッショナルな技術を持っている人です。プロのアスリートがトレーニングをし続けなければ、あっという間に引退に追い込まれるように、現場の人もプロであるためにトレーニングを続け、汗をかき続けています。

そこにしばらくトレーニングをサボって会議室にいた人が現場に戻ろうとしても、無理ですよね。

また、大卒のエリートのプライドが邪魔をして現場に戻れない、という意識の問題もあります。

戦後から今まで植え付けられてきた、現場で汗をかく仕事は、会議室にいる仕事よりも格下である、という意識から抜けられないのです。

その結果どうなったか?

会議室にもいられない、現場にもいられない人がたくさん生まれてしまいました。

今回のコロナ禍もそうですし、以前のリーマンショックのときもそうですが、世界的恐慌が起こったとき、中堅社員がリストラに遭い路頭に迷う、という内容の記事をよく見かけます。そこで書かれている路頭に迷っている人は、会議室から追い出され、現場にもいられない人です。

現場で汗をかける人が、生き残っていく。

これからの時代、大卒の切符を振りかざして会議室の人を目指すのは、非常にリスクが高いです。

生き残っていける可能性が一番高いのは、手を動かして身に付けたスキルがあり、手を動かすことで利益を稼げるプロフェッショナルになること。

つまり、現場で汗をかける人です。

現場で汗をかける人は、これからのグローバル社会で、日本だけでなく国際的な企業の仕事を受注し、稼げる可能性があります。

いや、日本からの受注はもはや期待しないほうが良いでしょう。会議室のイス取りゲームに明け暮れるガラパゴス化した日本の組織では、グローバル競争の土俵にも乗っていない、と考えたほうが良いかもしれません。

ということは、日本の大学を卒業したという事実は、グローバル競争下では何の意味も持たないということ。

学歴や大学名ではなく、現場で汗をかけるかどうか。それが生き残れる条件になるのは、ある意味とても平等でわかりやすい状況です。

ここで言う「現場で汗をかける」というのは、もちろん製造業など純粋なモノづくりの現場も含まれますが、今後はITの現場で手を動かせる人が重宝されることは間違いありません。

このような状況下で、AB社は現場で汗をかきたい、プロとして生き残りたい、と考えている人をサポートする役割を担いたいと考えています。

具体的に、どのような考えでAB社は動いていくのか、詳しくは次回に続きます!