中高年社員に対する「リスキリング」が流行っている昨今。

しかし、「リスキリングの前にリプライド(Re:プライド)」が必要です。


そこをないがしろにして、
中高年社員のプライドをズタボロにしてしまうと、
“無敵の人”(byひろゆき)となり、
会社に大損害を与える可能性があります。

目次

  1. 不正を正当化する思考回路とは?
  2. 正当化の理由を与えてしまうと、自分の正義に基づいて「確信犯」になる。
  3. プライドを踏まないようにすることは、広義のガバナンス。

不正を正当化する思考回路とは?

個人情報が犯罪に直結してしまう昨今、
以前よりもさらにデータ管理に厳しい目が向けられるようになりました。

そのため、データ流出などの不正が起こると
企業の信頼は失われ、企業価値は暴落します。

なぜ、不正が起こるのか。

人が不正をする仕組みをモデル化した「不正のトライアングル」では、
不正リスクの要素を3つ挙げています。

1.機会
2.動機
3.正当化

これが揃ったところに、
目の前に「対象」があると、
麻雀で言うところの「ロン」。上がりです。

中高年社員のプライドを踏んでしまうと、
社内的には“無敵の人”となり、
この要素を揃えて、不正というゴールに「ロン」する危険性があります。

特に、プライドを踏みにじられた中高年社員の「正当化」はやっかいです。

「俺は(私は)こんなに会社に尽くしてきたのに、裏切られた。」
「これだけ会社に貢献したのだから、これだけお金をもらっても問題ない。」

など、自分自身が正義となる理由が生まれます。

「自分は悪くない。会社が悪い。」

となり、不正に手を染めます。

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正当化の理由を与えてしまうと、自分の正義に基づいて「確信犯」になる。

企業は、社員がダークサイドに落ちないように、
内部統制(ガバナンス)を行います。

内部統制でするべきことは、
その1は対象を与えないこと。
その2が機会を与えないこと。

そして、忘れてはならないのは、
社員の不正を防ぐためには
正当化の理由を与えないようにすること。

正当化の理由を与えてしまうと、
「確信犯」
として、会社に損害を与える危険性があります。

データ流出や着服などの不正をすることは、
法律に違反することはわかっている。

しかし、自分の正義に基づいているので、
「法を犯す」という本来なら越えられないハードルをクリアしてしまう。

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プライドを踏まないようにすることは、広義のガバナンス。

激変するビジネス環境を生き抜くために、
リスキリングを進めたい。
会社をDXで変えたい。

それはまったくそのとおりです。異論なし。

しかし、その過程でおじさんおばさんのプライドを踏むと
Transformation(変革)どころか
会社の存続に関わる大損害を被りかねません。

より広い意味でガバナンスを考えた時、
プライドを踏まないようにすること。

そして、このままではプライドを踏んでしまうなと思ったら、
「リプライド」を用意しておくこと。

「リプライド」がうまくいけば、
中高年はプライドのためには頑張る世代です。

貴重な戦力になるか、大損害を与える爆弾となるかは紙一重。

中高年社員のプライドには配慮を。
これをしっかり心に留めながら、DXやリスキリングを進めていくことを強く推奨します。