仕事を依頼したり、依頼されたりするときは、
その相手との「信頼関係が大事」と、よく言います。

本当に仕事においては「信頼関係が大事」なのか?
また、仕事での「信用」とはどういうことなのか?

今回は、仕事での《信用》と《信頼》についてお話したいと思います。

目次

  1. 《信用》とは?
  2. 「信頼」とは?
  3. マイナスの《信用》と《信頼》があるときは?
  4. 《信頼関係》が、良いこととは限らない?

《信用》とは?

まず、
日本人にとっての仕事における《信用》とは?
を考えてみます。

《信用》するとは、相手に対して「この人は自分を裏切らないだろう」と期待していることです。

自分を裏切ったときには代償を払うことになるから、
そのマイナスを計算すれば、自分を裏切るような選択はしないだろう。

この人に仕事をお願いしたら、やらないときのマイナスを考えたら「しっかりやる」との選択をしてくれるだろう。

つまり、「この人は損得勘定のできる人(よって裏切るようなバカな真似はしない)」と期待できる相手は、《信用できる》と認識します。

だって、仕事をやらないと、怒られたり、査定に響いたりなどのペナルティがありますからね。
そのことを理解している人は、マイナスを避けるために仕事をするので、《信用》できます。

つまり、《信用》する/しないとは、相手の損得勘定能力に依存しています。

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「この仕事をやらないと、損得勘定としてマイナスだからやってくれるはず」と期待して頼んだとしても、マイナスをまったく省みずに全然にやらない人がたまにいますが、それは損得勘定をしない人だからです。

そういう人は《信用できない》ですよね。

また、相手は自分を裏切るマイナスなんて大したことがないと思っているだろうから、裏切られても仕方がないと思っている場合も《信用できない》です。

仕事をやらないことで多大なるマイナスがあったとしても、その重さは人によってそれぞれ。相手が「そんなマイナスなんて大したことがない」と思っているとしたら、仕事をやりません。損得勘定の方程式が違うので、こちらの期待を簡単に裏切ってくれます。

諦めでもあるし、絶望感でもありますが、
そんな人は《信用できない》です。

「信頼」とは?

次に、《信頼》について考えてみます。

《信頼できる》とは、損得勘定抜きにして、行動してくれるだろうという期待です。

すごく大変な仕事で、これを引き受けるとプライベートも何もかも犠牲になる上に、評価もたいして上がらないので、やらないほうが得かもしれないけど、期待を裏切りたくないから仕事を引き受ける。

そういう行動を期待できる人のことを、《信頼》します。

また、「絶対にダメな方を選択するだろう」というマイナスの方面の《信頼》もあります。

例えば、家族のことをあれこれ言われたら、必ずキレる人がいたとします。
ここでキレない方が得策だとわかっていても、この人はキレるという損な行動を取るだろうという《信頼》がある。

損得抜きにして行動するだろうという《信頼》です。

仕事には「信頼関係が大事」とよく言いますが、
これはお互いに「損得抜きにしてやってくれる」と双方向で感じている
、ということです。

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ちょっと余談になるかもしれませんが、
「信用関係」という言葉はないですよね。

《信用》とは、相手に対する一方通行の感情なので、双方の関係性ではないということなのかもしれませんね。そう考えると、《信用》をするかしないかは自分自身だけの問題なので、案外ラクなのかもしれません。

「信頼関係」と言われた瞬間、自分だけの問題ではなくなるので「やらなくては」とがんじがらめになるような負の側面もあるように思います。

マイナスの《信用》と《信頼》があるときは?

では、仕事を依頼するとき、《信用》と《信頼》はどのような状態にあると良いのかを考えてみます。

最悪なのはマイナスの《信頼》関係があるときですね。
これはどんなにお金を出そうがやってくれません。

マイナスの《信用》があるときは、
あなたは相手を損得勘定できないヤツと思いつつも、他に頼む人もいないし、みたいな感じで仕事を依頼していることになります。

損得勘定できない人は、仕事を頼まれると「ハイ!」と元気よく応えてくれるでしょう。

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返事だけは良いけど、頼まれた仕事ができなかったときのリスクを理解していない人です。

そのため、結局は仕事ができずにトラブルになりがちです。

《信頼関係》が、良いこととは限らない?

逆に、《信頼》関係がある状態で仕事を依頼するのは、非常に良い状態と考えられます。

できれば《信頼》関係があるベストな状態で仕事をしたいですよね。

しかし、先ほども少し話したように、「相手の信頼に答えるためにやらなくては」とがんじがらめになる側面もあり、望ましくはあるけどビジネスとして考えるとよくない面もあります。

相手に頼まれた仕事を自分ごととして捉えるので、
自分自身が納得できる品質に仕上げようとします。

本来、仕事の依頼を受けるときは
相手が望んだ「QCD(品質、コスト、納期)」を守ることが基本
です。

しかし、自分ごとになった結果、必要以上に情熱をかけて、
相手の求める「QCD」を超えた結果を出そうとしがち
です。

一生かけてサクラダファミリアを作りがち。

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そう考えると、プラスの《信頼》がある状態も、あまりよろしくないのかもしれません。

では、プラスの《信用》があるときはどうでしょう。

これは、依頼した仕事はしっかりやってもらえます。

引き受けると帰れないなどのリスクはあるけど、引き受けなかったときのコストのほうが大きいとわかっているから引き受けてくれます。

こちらの望む「QCD」は叶えてくれるので、この状態が一番良いかもしれません。
しかし、引き受けなかったときのコストを大きく見せれば見せるほど引き受けてくれますが、それはいわゆる“ブラック”な働き方になってしまうリスクもあります。

では、どのような状態で仕事を依頼できる/依頼されるようにすればよいのか?
そのあたりの話は、次回に続きます!