今回は、なぜ「Transformation」が進まないのか、組織の現状から考えてみます。

「改革に取り組む人」は、いじめられる。


「ハラスメンターや横領野郎や組織ぐるみ偽造などを内部告発した人」は、報復から守られるという制度(建前)に、いちおうはなっています。

しかし現実は、「改革に取り組む人」こそ、職場の「変えたくない人たち」から猛烈に報復され、いじめられ、酷い目に遭っています。まあ、改革することは、組織ぐるみの長年の不正を内部告発することと根っこは一緒ですから、裏切り者扱いになってしまうのかもしれませんね。

そして、会社の《えらい人》が、改革者をその陰惨なイジメから守ってくれることは、建前でもけっしてありえません。見殺しです。使い捨てです。

内部告発と違って、改革者を守りなさい、という法律はありませんから。

内部告発のように、「法律の義務があるから、仕方なく出てきた」と言えないと、たちまち現場の「変えたくない人たち」の餌食になります。《えらい人》でも、助けに行って溺れます。せっかく《えらい人》になったのが、一発で無駄、失脚してしまいます。

「改革」は、「《えらい人》が現場に丸投げ」では、進まない。

そもそも。

孤立無援の「改革者」を、ホワイトナイト然として救出にくるような迂闊(うかつ)な人なら、《えらい人》になることはありません。そんなお人好しなおっちょこちょいさんは、40歳までに潰されてるか、組織の外に出て自分でやってるか、どちらかです。

だから「Transformation(改革)」が進まないのです。

「改革」は、「《えらい人》が現場に丸投げ」では、ぜったいに進みません。《えらい人》も、本気で「改革」なんかする気ないからこそ、現場に丸投げします。

そんな「丸投げ改革」で、いちおうSaaS買い込んでプレスリリース出して「さあ!使え!!あとは現場でうまくやれ!!!」とけしかける。

「《えらい人》が、改革と言ってますね!頑張りましょう!」と目を輝かせて真に受けて、SaaSを使って業務改革しようとすると、牢名主からこっぴどくいじめられます。

だから、誰も使わない。当たり前です。ちょっと考えれば、いじめられる自分の近未来がありありと見えるんですから。


その現場をまず変えなければならないのですが、そこから逃げて「世界を変える」などとキレイゴトを言っても、そんなことは無理なわけです。