第9回からお話してきた「需給ギャップ」について、今回もお話します。このテーマは今回が最終回です。

日本人に蔓延する「分相応に行動すべし」のマインドから脱却しない限り、需給ギャップを改善することは難しい、とのお話を前回までにしてきました。

第9回
第10回
第11回

分相応が求められる場を離れて、副業で供給する。

しかし、日本の組織に所属している場合、分を越えた行動をすると、組織内で叩かれます。組織に所属しながら生きていく以上、分相応を心がけなければなりません。つまり、所属組織でこのマインドを脱することは難しいです。

だからこそ、私は、副業を勧めます。

分相応を求められる組織を離れたところで、勝負するのです。

フラットにスキルを切り売りして、勝負できる時間を持つ。例えば、クラウドワークスやランサーズなど、「ギャラは✕万円でこのジョブをこなしてくれ」と、フラットなスキルを売り買いできる場があります。

ここに「分相応」「分不相応」は存在しません。

副業で、企業側が求めるものを供給していくのです。

私はここまであえて、「求めている人材がいない、求められている人材になれない」と、「人材」という言葉で需給ギャップを表現していましたが、人ではなくて「労働力」や「スキル」「タレント(才能)」という言葉のほうがピッタリかもしれません。

分相応が求められる組織から離れた場で、フラットに「労働力」を企業に供給できるのが、副業です。

供給された労働力を、組織内に取り込もうとしない。

同時に、企業側も認識を改めてなくてはなりません。

求めている「労働力」が供給されたら、シンプルに利用することに徹し、分相応を求めたりしない。

このマインドが蔓延している組織内に取り込もうとしないことです。

フラットに、足りていない労働力やスキルを募集する。
分相応のマインドが蔓延する組織に取り込むと、一気にそれは需要に合わない供給になるので、フラットに穴を埋めるだけにする。

今の日本の組織は、すべてのスキルやタレントを、このマインドの中に閉じ込め、真空パックしようとしています。だから供給が足りないのです。

ですが、パックから滲み出るスキルやタレントの供給は、企業側にとって必要なものです。だから、パートタイマーや業務委託など、非正規採用でよいのです。「非正規」というと、マイナスなイメージがひとり歩きしていますが、副業ならば非正規のほうが動きやすい。

人は、企業や地域社会など、分相応に動くことを求められている、何らかの組織に所属することは必要でしょう。

しかし、スキルやタレント、労働力を所属組織以外に供給することで、分相応に動く割合を減らすことができます。よって、収入の柱が増えて安定しますし、精神的にも解放されます。


AB社では、この考え方に沿ったスキルやタレント、労働力の供給をする企業でありたいと考えています。正社員ではない形で、日本に蔓延する「分相応に行動する」マインドから脱した供給をしていきます。